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大須賀淳
2024.3.31 20:47その他ニュース

自営業25周年の所感

ちょっと前に「大人は楽しい」という記事で、この年度替わりは大人歴30年の節目と書きましたが、最初に入った会社はちょうど5年で退職し、以降ずっと自営業者として働いているので(最初の半年ぐらいだけ、全く関係ない分野のバイトも並行)、自営業25周年の節目でもあります。

 

といいつつ、自分は「フリーランスになるぞ!」と固く決意して会社員を辞めたわけではなく、全くの異業種からの転職かつ「氷河期」のど真ん中でもあり、面接にすらなかなかこぎつけられずにいた所(未熟だったため、求人情報を見て履歴書を出すという方法以外の知恵がなかった)、「こんな事できない?」と「仕事そのもの」を直接打診されるようになり(内容や幅は限りなく広がったものの)なし崩しで今に至っている…という流れです。

 

公的な資格は自動車免許しか持っていませんし、個人のブランディングやマネジメントなんかも全然グダグダですが、傾向として「どこに頼んだら良いかわからない」案件は「大須賀の所に持っていけば何とかなるんじゃないか?」的に思い出してくださる方が一定数いらっしゃり、それに支えられて「忙しい」が続いたまま四半世紀がすぎました。

 

ありがたい、ありがたい!

 

48歳の自分は、そこそこ「経験豊富な大人」カテゴリだと自負しているんですが(笑)、実は「世の中の仕組み(しきたり)」には本当に色々と疎く、手続きや根回しが重要な事柄って、公私問わずすごく苦手なんですね。

 

だけど「何も決まってない」「前例がない」「マニュアル的な情報がない」という場面に遭遇すると、全身の細胞が活き活きとして行くのを感じ、コンセプトから細かい実務的オペレーションまで次々と対応策と意欲がわいてきます。

 

これ自慢とかではなく、おそらく8割の人が普通にできるような事で自分は苦手というのが山ほどあるので、少ない手持ちカードをブーストさせて突破していくしか無いというのが本当の所です。

 

一方、時代の空気は「こうした生き方」に対してどんどん向かい風が吹いています。自分自身の事については「気合いで突破する!」と体育会的な自己の鼓舞と共に何とかやって行くにしても、「自分と同じタイプ」の若者などには、自分が遭遇した以上の困難さが、今後ますます多く降り注いでくるのではと不憫に感じています。

 

例えば行政の「フリーランス支援」って、政府による「クールジャパン促進」なんかともの凄く似ているんです。本来、個々人の人生活動や小規模社会の成立から出てきた「美味しいうわずみ」だけを、「類型化」という全く逆の価値観で都合よく使おうとするから。怒られる表現なの承知で書きますが、社会的ステータスが高い職種の人が考えるアイデアって、非常にコジキ根性旺盛なものが多いです。生産せず、美味しい部分だけ「恵んでもらおう」とするイザリ行為。

 

「クールジャパン」施策って、行政主導の企画案件を受注することでの経済効果はあっても、それによって「シーン」が生まれた例なんて本当に無いですよね。

 

私は音楽、映像、文筆などを活動分野にしているので特に過敏になってますが、キャンセル・カルチャーって「強大な強者に対抗するもの」ではなく、多様なビジネス展開(生き様)を否定した上で、徹底的に殺菌・脱臭処理された統一的で単純な仕組みに押し込もうとする動きだという事に、多くの個人・零細事業者は気づいているんじゃないかと思います。

 

私は仕事をしている最中に「気付いたら死んでた」という最期を理想としていますが、自営25周年を迎え、「次の四半世紀」はより「戦い」の色合いが濃くなって行くのではと、重たいけれども決して悲観ではない感覚を心の芯の部分に感じています。

大須賀淳

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